子どもに砂糖を食べさせるか食べさせないのかは、ママを悩ませる大きな問題の一つですよね。実は、私も子どものために砂糖なし生活を送って時期があるのです。ママの不安を管理栄養士として改めて調べてみました。ママが過度な不安を感じることなく、上手に砂糖と付き合えるようになりますよ!
子どもに砂糖を食べさせていけない、わけではない。
私たち大人は、砂糖がおいしくて幸せな気分にさせてくれることを知っています。そして、食べすぎるとよくないことも何となく感じています。だからこそ、子どもに砂糖を食べさせていいのか悪いのかについて、真剣に考えてしまうのかもしれません。
結論から言えば、子どもに砂糖を食べさせてはいけないわけではありません。
食べ物には、食べることでよい効果を得られる面もあれば、一方でリスクもあります。一概に白黒つけらるものではないので、自分の生活スタイルを考えた上でどのように食べるのかを選択することが必要です。砂糖も同じです。だからこそ、砂糖についてちゃんと知った上で、どう付き合うかを考えることが大切なのです!
子どもにお砂糖はどのくらい?世界基準はコレ!
WHO(世界保健機関)のガイドラインによると、1日あたりの砂糖摂取量を大人も子どももエネルギー総摂取量の10%未満に減らすよう勧めています。また、5%まで減らすことで更に健康効果は増大するとしています(※出典1)
[st-kaiwa2]エネルギー総摂取量の10%ってどのくらいなのかしら?[/st-kaiwa2]
例えば、1歳の男の子の場合、1日に必要とされるエネルギーは、1,050kcal(※出典2)。このエネルギー量の10%は105kcal。これを砂糖の重さ(g)に直すと、砂糖(糖質)は1g=4kcalなので、105kcal÷4kcal=26.25(g)となります。それぞれ計算すると次のとおりです。
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<1〜2歳>
男の子(1,050kcal) 砂糖 10%:26g 5%:13g
女の子(950kcal) 砂糖 10%:24g 5%:12g
<3〜5歳>
男の子(1,400kcal) 砂糖 10%:35g 5%:18g
女の子(1,250kcal) 砂糖 10%:31g 5%:16g
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ここでいう砂糖というのは、加工食品の製造過程や調理で加える糖類と、ハチミツやシロップ、果汁、濃縮果汁に含まれる糖類を指しています。野菜や果物、牛乳に自然に含まれている糖類は入っていません。
[st-kaiwa2]でも、どうして砂糖の量に基準なんてあるのかしら?[/st-kaiwa2]
砂糖を摂りすぎることは、肥満や虫歯につながることが分かっています。子どものときの肥満は、将来的な生活習慣病のリスクを上げてしまいます。虫歯についても、砂糖の摂取量が多くなると虫歯になるリスクが上がることが分かっています。(※出典3)
子どもの頃に生活習慣を整えてあげることは、子どもたちへのなによりのプレゼントなのではないでしょうか。
子どものおやつを見直すことで砂糖の摂取量が変わる
残念ながら、日本の子どもたちが実際にどのくらいの砂糖を摂っているのかという研究は現在のところ見当たりません。もし我が子が毎日のように砂糖の入った甘いおやつを食べているのであれば、お料理につかう砂糖を気にするよりも、おやつを見直してみるといいかもしれません。
おやつの内容に気をつけることで、1日の砂糖使用量をグッと抑えることができます。では、お菓子やジュースには一体どのくらいの砂糖が含まれているのでしょうか?
お菓子やジュースにはどのくらいの砂糖が含まれている?
子どものおやつにありがちなお菓子やジュースについて、含まれる砂糖の量を見てみましょう。(※出典4)
- キャンディー(1個) :4g
- クッキー(3枚) :7g
- カステラ(1切れ) :10g
- チョコレート(6かけ):12g
- プリン(1個) :15g
- ソフトクリーム(1個):15g
- ショートケーキ(1個):30g
ショートケーキは1個食べるだけで1日の砂糖摂取量の2倍近い量をとってしまうことに。他にも、ジュースは気付かないうちにたっぷりの砂糖をとってしまいます。100%ジュースも果物の代わりと考えるのはやめておいた方がよさそうです。外食すると子どもにはドリンクバーが無料でついてくることがありますが、「利用しない」という選択肢もあることを忘れないでくださいね。
子どものおやつに砂糖は必要ない。
「おやつ」には息抜きや楽しみといった意味合いもありますが、子どもにとっては「栄養補給」が大きな目的となります。成長・発達が著しい子どもにはたくさんの栄養が必要となります。しかしながら、消化器官が小さい子どもは、1日3回の食事では必要な栄養素を満たすことができません。そのため、食事回数を増やすことによって栄養を摂る必要があるのです。甘いおやつを食べ過ぎてご飯が食べられないということになれば、それこそ本末転倒です。
大人はおやつに楽しみを求めることが多いため、「子どもにあげないのはかわいそうかな」という思いが浮かんでくることもあるかもしれません。しかし、そもそも目的が違うのです。
わざわざ子どもに甘いおやつをあげる必要はない。というのが筆者の考えです。
だからと言って「絶対食べさせてはいけない」というわけではありません。極端なルールを設定すると、ママも子どもも苦しくなります。「おでかけやお友達と遊ぶときはOK」「このくらいの量まではOK」「家ではお休みの日だけ」など無理のない範囲でルールをつくるほうがいいですね。
簡単!子どもにおすすめのおやつ
おやつとしておすすめしているのは、「素材をそのまま食べられるもの」です。おやつは毎日のこと。市販品も上手に取り入れながら、手間をかけすぎないのもポイントです。
<蒸し野菜>
さつまいもやかぼちゃは、甘味もあって好きな子どもも多い食材。じゃがいものホクホク感、里芋のねっとり感も食感が変わっておいしいですね。おやつだけでなく、食事にも大活躍です。多めに蒸しておくことで料理の時短にもつながりますよ!
<果物>
旬の果物は、季節を感じるにことにもつながります。果物には糖分も多いですが、ビタミン、カリウム、食物繊維などもとれるので、積極的に食べましょう。ジュースではなく果物そのものを食べることがポイントです。
<無糖ヨーグルト>
幼児期になったからと言って、加糖のヨーグルトに切り替える必要はありません。離乳食の頃は無糖ヨーグルトを選んでいたと思います。ヨーグルトは甘くないもので大丈夫。きな粉(砂糖なし)をかけてあげると息子は大喜びでした。きな粉は大豆からできているので、良質なタンパク質を含んでいます。トッピングとしておすすめです!
<干し芋や干し果物>
外出時にも重宝するのが干した芋や果物。手が汚れず、保存が効くのもポイントです。ドライフルーツは砂糖を添加しているものも多いので、裏面の表示をを確認して選ぶようにしましょう。
<おにぎり>
食べ応えもあり、具によっていろいろな栄養素を補給できます。いわし粉やかつお節、青のり、ゴマなどを混ぜ込むことで、塩がなくてもおいしく食べられるのでおすすめです。のりを巻けばミネラル分の補給にも一役かってくれます。
<おだんご>
余裕のあるときは、団子粉や白玉粉で一緒に手づくりおやつはいかがでしょう?食育にもつながりますね!きな粉(砂糖なし)をまぶしたり、のりを巻いていただきましょう。
<市販品のぽん菓子>
市販品でよく買っていたのは、ぽん菓子です。お米と塩だけで作られたものも売っているので表示を見て購入してみてください。
【体験談】子どものお砂糖ゼロ生活。いつまでできる?
我が家は、息子が生まれてから「お砂糖ゼロ」の生活を送っていました。といっても、料理の甘味付けにはみりんを使っていましたし、保育園では普通に給食を食べていたので完全なゼロではないですね。当時、身近なママ友が子どもに対して砂糖を使わない生活を送っていたことが影響として大きかったように思います。
一人目ということもあり、家庭で砂糖を使わない生活をすることはそれほど難しくありませんでした。おやつには、おにぎりやイモ類、市販品も近所の自然派食品のお店で購入していました。
「3歳までは砂糖なし」を目標にしていましたが、結果的には2歳半で砂糖を取り入れる生活が始まりました。
お友達が食べているのに「ダメ!」ということはできなかったことと、子ども自身も日常生活や遊びの中で甘いものの存在を知り「食べたい!」という欲求が芽生えたことが主な理由です。
私自身は、子どもの食べたい欲求を押さえつけることは、食に対する興味を広げるチャンスを失うことにつながると思ったので、特別なときはOK(我が家の場合は家族3人そろっているとき)というルールで食べ始めました。みんなでおいしさを共有して食べられるのは本当に幸せなことです。思い出としても心に刻まれます。
3歳を過ぎてからは、甘いおやつを食べる頻度も増えています。それでもいつも当たり前に食べるものではなく、ちょっぴり特別なものという認識でいられるように「今日はアイスを食べられて幸せだね!」と食べられる喜びを共有するようにしています。ただし、ジュースについては基本的にはNG。飲み物はお水やお茶が基本です。そんな息子は、甘いものに依存する様子もなく、適度な距離感で付き合えているのかなという実感です。
食事のあとは、歯磨きを忘れずに
砂糖を食べる、食べないに関わらず、食事のあとは歯磨きをしましょう。甘いものを食べたときにはさらに念入りに。「甘いものを食べられなくなったら悲しいから、虫歯にならないように歯磨きをしようね!」大人になっても影響する子どものときの生活習慣。当たり前の習慣にしていまうことが大切ですね。
まとめ
甘いおやつは「食べてはいけないもの」ではありませんが、「好きなだけ食べていいもの」でもありません。将来の健康への投資として食べ方についてはママが伝えていくことが必要かもしれません。
大切なことは、まずは今の生活スタイルを振り返ってみること。メリットとデメリットを知った上で自分の食生活にどのように取り入れていくかを決めることが大切です。
息子が3歳のクリスマス。サンタさんにお願いしていたのは『大きなチョコレートケーキ』。プレゼントを受け取ったときの息子は、本当に嬉しそうでした!そしてそれを家族そろって食べたときのおいしさと幸せな気持ちは、何にも変えられません。砂糖には人を笑顔にする力もあるのです!
上手に砂糖と付き合うことで、子どもたちの豊かな食生活が育まれたらうれしいですね!
参考文献
(※出典1)WHO(2015)「大人と子供のための糖分摂取量ガイドライン」
(※出典2)厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」
(※出典3)厚生労働省eヘルスネット「甘味(砂糖)の適正摂取方法」
(※出典4)おやつ類を食べたい場合の量の目安(砂糖と脂質の目安)
(参照はすべて2019.05.05)
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